変化の時代に向き合う、サイバーセキュリティ企業の法務の取り組み

1.はじめに

企業活動において、法務はしばしば「リスクを回避するため、事業にブレーキを掛ける存在」と捉えられることがあります。もちろん、その「ブレーキ」の役割も重要ですが、事業が安心して前進できるよう伴走する「アクセル」の役割もまた、法務に欠かせない使命だと考えています。

本記事では、当社の法務担当が社内でどのような「アクセル」の役割を担っているかをご紹介します。

2.学会等を通じた最新情勢の把握(「アクセル」その①)

当社は、社会環境や技術の変化が激しいサイバーセキュリティ領域で事業を展開しています。そのため、刻々と変化する法制度や社会情勢を継続的に把握することが、法務としての基本姿勢となっています。
情報収集はインターネットや書籍を通じて日常的に行っていますが、それだけにはとどまりません。学術的な視点から情報収集を行うことを目的として「サイバーセキュリティ法制学会」に入会し、研究や議論に触れています。
学会の研究会では、各方面の専門家が最新の情勢や専門的な知見を共有してくださいます。こうした場で得た気づきは、次章でご紹介するように、日々の業務や社内ルールの整備に活かしています。加えて、法務担当者としての知的好奇心を刺激してくれる場でもあり、継続的な学びの原動力にもなっています。

3.日々の法務業務への反映(「アクセル」その②)

外部で得た知識や議論は、社内に共有し事業に活かしてこそ意義があります。そのため、どのように社内ルールや事業判断に落とし込むかを常に意識しています。
例えば、執筆時点(2026年3月)におけるサイバーセキュリティ分野の大きなトピックの一つに「能動的サイバー防御」があります。セキュリティ分野を取り巻く環境の大きな変化として、継続的に注視しています。
セキュリティ分野以外の動向についても同様です。直近では、旧・下請法(中小受託取引適正化法、通称「取適法」)の改正を受け、社内向けに注意すべき点を周知しました。適法・違法の境界線を社員にできる限り明確に示すことで、安心して取引を進められる環境づくりを目指しています。

4.法務から見た「事業 × 社会 × セキュリティ」

2章・3章でご紹介した取り組みの背景には、一つの共通した視点があります。それは、サイバーセキュリティや情報管理はもはや一企業だけの問題ではなく、社会全体の信頼と密接に関わるテーマであるという認識です。
法務としては、法令を遵守することはもちろん、その先にある社会的な期待や影響にも目を向けることが求められます。こうした広い視野を持つことが、事業の持続性を高めるとともに、法務としての付加価値を高めることにもつながると考えています。

5.おわりに

法制度や技術が変化し続ける以上、法務にとって「学び続けること」は欠かせません。今後も、外部の知見や多様な議論を取り入れながら事業の後押しを行い、(必要があればブレーキも掛けつつ)事業に寄り添う法務であり続けたいと考えています。
法務の仕事は、外からは見えにくい部分も多いものです。それでも、お客様をはじめとしたステークホルダーや社会からの信頼に応えるべく、法務の立場から事業に貢献し続ける所存です。

この世界を守る次の挑戦者になろう

募集要項/エントリー