実務未経験からOSCPを取得するまで。「勉強して当たり前」という文化が自分を成長させてくれる

INTRODUCTION
吉浦有人(よしうら・ゆうと)法学部を卒業後、2017年4月に大手SIerへ入社。約6年半、産業機械の制御用GUIアプリ開発に従事する。在職中に独学でセキュリティを学び、2023年11月に株式会社エヌ・エフ・ラボラトリーズ(以下、NFLabs.)へ転職。現在はソリューション事業部に所属し、研修講師を担いながら教育コンテンツの開発を行う。
大手SIerで開発者としてキャリアを積む中、独学で学び始めたセキュリティの面白さにのめり込んだ吉浦さん。専門性を高めたい一心で難関資格を取得し、部署異動を希望するも、その願いは叶いませんでした。
キャリアの岐路に立った吉浦さんが、次なるステージとしてNFLabs.を選んだのはなぜだったのか。NFLabs.への入社を決めた経緯から、現在の教育コンテンツ開発の仕事内容までを詳しく聞きました。
セキュリティの面白さに目覚め、独学で飛び込んだ
―法学部からIT業界へ、さらに開発職からセキュリティ分野へ。吉浦さんのキャリアの背景には、どのような経緯があるのでしょうか?
大学では法学を専攻していましたが、正直に言うと、1年生の春には「この道は自分には合わないな」と感じていたんです。法学には、過去の判決を重要視する「判例主義」という考え方があり、時には何十年も前の判断を参照する必要がありました。それを覚えることに、僕としては面白さを感じられず、向いていないなと。
そこで、安直ですが「歴史の深い学問が合わないなら、逆に歴史の浅い新しい分野なら面白いかもしれない」と考え、当時盛り上がりを見せていたIT業界に興味を持ったのが、最初のきっかけです。とはいえ、当時は将来設計が全くなく、参加したイベントで最初に出会い、最初に内定をもらえたという縁で、SIerへの入社を決めました。
最初の2年間はテスト業務が中心で面白みを感じませんでしたが、3年目からプログラミングを任され、自分の書いたコードが画面に反映されて動く面白さに夢中になりましたね。特に、不具合を修正し、正常に動くようになった時の達成感は格別でした。どうすればバグが直るのか、様々なアプローチを考える過程はパズルのようで、自分の力で課題を解決していく開発の仕事にどんどんハマっていきました。
そして入社して5年半が過ぎた頃、会社全体でセキュリティ人材を増やすという施策があり、推奨資格だった「情報処理安全確保支援士」の取得に挑戦したことが、次の転機になりましたね。
もともと何かもう一つ自分の武器になるスキルが欲しいと思っていたタイミングだったんです。独学で勉強するうちに、社会を脅かすサイバー攻撃から人々を守るという仕事の貢献度の高さに強い魅力を感じ、「この分野で専門性を高めたい」と強く思うようになりました。
求めたのは「学び続けられる環境」。NFLabs.へ入社した理由
―資格取得後、すぐに転職を決意されたのですか?
いえ、まずは社内でセキュリティ関連の部署へ異動できないか相談しました。しかし、組織の都合もあり、残念ながら実現しませんでした。それでも諦めきれず、さらに独学でCISSP試験に合格したことで「ここで待ち続けるのではなく、環境を変えてみよう」と考え、本格的に転職活動を始めました。
―最終的にNFLabs.を選んだ決め手を教えてください。
正直に言うと、提示された給与水準の高さが7〜8割を占める最も大きな理由です。自分のスキルを正当に評価してもらえると感じました。
そしてもう一つ、同じくらい重視したのが学習支援体制です。前職で資格を取得したものの、当時の僕には「自分が作ったアプリのセキュリティについて説明してください」と問われても、何も答えられないだろうなというスキルに対する不安がありました。
資格だけでは実務はできないという強い危機感があったので、転職後も継続的に学べる環境が必須だと考えていたんです。その点、教育を事業とするNFLabs.なら、ただ淡々と仕事をこなすだけにならず、自分自身も学びながら成長できるチャンスがあると考え、非常に魅力を感じました。
―NFLabs.では現在、教育コンテンツ開発を担当されていますが、どのような点にやりがいを感じますか?
お客様からいただく「こんな技術を扱いたい」という大枠の要望を元に、研修の全設計から教材作成、演習環境の構築まで一貫して任される、業務範囲の広さ・自由度の高さが一番の魅力です。プロジェクトによっては3〜4ヶ月という期間でゼロから作り上げるのですが、これがかなり大変な反面、面白い部分でもあります。
学習者が論理の飛躍でつまずかないよう構成を練り上げ、「これなら分かりやすい」と自信が持てる演習シナリオを思いついた時は、やはり面白いですね。前職の開発経験で培った「なぜそうなるのか」を突き詰める姿勢が、感覚に頼らない論理整合性の高い教材作りに直接活きていると実感しています。
そして研修後、受講者の方から「役に立った」「面白かった」という声をいただけた時、数ヶ月間の苦労が報われ、この仕事ならではのやりがいを心から感じます。
「勉強して当たり前」の文化が、未経験の自分を変えてくれた
―入社後に感じた、NFLabs.ならではの成長環境について詳しく教えてください。
まず、業務で必要と判断されれば、高額な資格の取得費用を会社が全額補助してくれるなど、経済的な不安なく学習に集中できるサポート体制は非常に手厚いと感じています。
そして何より、特定の勉強会があるという以上に、「社員は当然勉強するもの」という雰囲気が社内に浸透しているのが特徴です。強制されることはまったくないのですが、周りの会話のレベルが非常に高く、新しい資格取得の報告も日常的に聞こえてくるので、自然と「自分もやらなければ」と学習意欲が高まっていきます。
僕は実務未経験だったので、入社当初は周りの専門的な会話に全くついていけませんでした。実は、仕事もうまく回せない時期もあったのですが、その時間を無駄にせずひたすら勉強に充てたことで、主体的に動く姿勢が身についたと思います。そして、チーム内で「一人前の証明」というイメージのあった資格「OSCP」「OSEP」を取得したことで自分の技術力に自信がつき、積極的に発言できるようになりました。
―最後に、異分野からこの業界を目指す方へメッセージをお願いします。
転職活動時、多くの魅力的な会社を見ましたが、NFLabs.は自分が期待していた以上に面白い仕事ができる場所だと確信を持って言えるので、まずは安心して飛び込んできてほしいです。
私も最初は周りの会話が全く理解できず、異分野からの挑戦で気後れする気持ちはよく分かります。ですが、NFLabs.には成長を後押ししてくれる文化と制度がありますから、心配する必要はありません。
私にとって、サイバー攻撃の仕組みを解明し、それを防御する技術への「すごい」「面白そう」という純粋な知的好奇心が、難解な学習を続ける上で一番の原動力になりました。その「好き」という思いや探究心さえあれば、勉強を重ねることで専門性は必ず身につき、未経験という壁は必ず乗り越えられるはずです。