会社が育休に慣れている。NFLabs.で実現する「キャリア」と「家庭」の両立

保要 隆明(ほよう・たかあき) |
荒巻 和治(あらまき・かずはる) |
豊田 竜也(とよだ・たつや) |
▲左から豊田、保要、荒巻
男性の育児休業取得率は年々向上していますが、依然として「キャリアが中断する」「職場に迷惑がかかる」といった不安から、取得をためらう声も少なくありません。
しかし、NFLabs.では男性社員の育休取得はごく自然な文化として根付いています。ではなぜ、誰もが気兼ねなく育休を取得し、仕事と家庭を両立できるのでしょうか。
今回は、異なる部署で活躍しながら、それぞれ1~3ヶ月の育休を取得した3名の男性社員による座談会を実施。取得前のリアルな不安から、育休中のエピソード、そして育休を経て得られた価値観の変化まで、赤裸々に語っていただきました。
「従業員の育休に、会社が慣れている」という安心感
―まず、皆さんがどれくらいの期間、育休を取得されたのか教えてください。
保要:私は2024年の9月から12月末までの約3ヶ月間です。ちょうど荒巻さんと同じくらいの時期で、少しだけ期間が重なっていましたね。
荒巻:私は9月1日から11月末までの3ヶ月間でした。自分の方が少し早く復帰したので、まさか保要さんと被っていたとは今日まで知りませんでした(笑)。
豊田:私は2024年の4月1日から約1ヶ月間です。第二子ということもあり、お二人と比べると期間は少し短めでした。ゴールデンウィークを挟んだので、実質的には1ヶ月と1週間ほど休んでいました。
―育休取得を伝えた時の、上司や同僚の反応はいかがでしたか?
保要:まずは「おめでとう」と祝福してもらえました。その上で、私がいなくても業務が問題なく回るように、チーム全体で協力して業務調整を進めてくれたので、非常に心強かったです。かなり早い段階からチームに共有していたこともあり、スムーズに育休に入れたと思います。
豊田:私は正直あまり覚えていません(笑)。覚えていないということは、それだけ自然に、快く受け入れていただけたのだと思います。
すぐに、業務の引き継ぎの段取りやチームメンバーへの共有タイミングの話に移った記憶はあります。NFLabs.では育休取得率が非常に高いので、特別なことではなく、ごく自然に受け入れてもらえたのだと思います。
荒巻:私の上司も「いいね!」と快く送り出してくれました。というのも、過去に、チームのほかのメンバーも当たり前のように育休を取得していたんです。
だから私自身も切り出しやすかったですし、もう「休むのが当たり前でしょ」みたいな空気もあって(笑)。私自身、事前に自分の業務を棚卸しして引き継ぎプランを提示したところ、すぐに「OK」と言ってもらえました。従業員が育休をとることに、会社として慣れているという印象があり、その点はとても安心感がありますよね。
「育児スキルを一通り習得したかった」育休をとる理由
―そもそも、皆さんが育休を取得しようと考えた理由は何だったのでしょうか?
荒巻:そうですね、私は子育てのスタート時点で、育児スキルを一通り習得することに集中したかった、という思いが強かったですね。仕事と並列で進めるのではなく、「育児に全振りできるこの機会を絶対に逃したくない」と考えていました。
豊田:私は3つの目的がありました。一つは「妻の産後ケア」、二つ目は「貴重な育児期間への集中」、そして三つ目が「育児スキルの習得」です。育休はゴールではなく、あくまで家族としての始まりに過ぎないので、最初の段階でしっかり向き合いたいと思いました。
保要:正直に言うと、私は当初、必要性をあまり理解していなくて。妻から「取ってほしい」と強く言われたのがきっかけでした。ただ、周りの取得経験者も多く、話を聞くうちに「それなりに理由があるのだろう」と、その必要性をぼんやりと感じていたくらいでしたね。
―育休中のリアルな体験について、印象に残っていることを教えてください。
保要:もう本当に大変で(笑)夜泣き対応や家事全般を担う中で「育休は絶対に必要だ」と痛感しました。特に最初の1ヶ月は夫婦2人だけでは厳しく、家族のサポートも受けながら乗り越えました。この経験がなければ、育児の大変さを本当の意味で理解できなかったと思います。
豊田:特に退院後の1週間は精神的にも肉体的にも追い込まれましたね。
まだ不慣れなことも多く「今日一度も落ち着いて座っていないな」と思った日があったことを、今でも鮮明に覚えています。
荒巻:わかります、本当に戦場でしたね…。ただ、やはり印象に残っているのは、やはり子供の誕生の瞬間に立ち会えたこと。言葉にできないほどの感動で、思わず泣き崩れてしまいました。
―育休中の経験は、ご自身の働き方や価値観にどのような変化をもたらしましたか?
荒巻:率直に「仕事の方が楽だ」と思う瞬間があるほど、育児は大変だと実感しました。今では育児を一日中担う妻には頭が上がりません。子供の生活リズムに合わせて、自分も朝型の働き方にシフトしました。
保要:生活が子供中心になり、仕事の効率化をより強く意識するようになりましたね。分断勤務を活用して夕方は育児に集中し、子供が寝た後に仕事に戻るなど、時間を有効活用しています。人に任せられる業務は任せるなど、チームを頼ることも覚えました。
豊田:大変でしたが、育児に集中した期間を通して「親になった」という実感が強まりました。育休中の事は今でもふと思い出すことがあり、その思い出が心の支えになることもあります。仕事への向き合い方にも深みが出たと思っています。
制度と文化の両輪が、柔軟な働き方を当たり前にする
―育児と仕事を両立する上で、NFLabs.のどのような制度や文化が支えになっていますか?
豊田:フルフレックスやリモートワーク、分断勤務といった制度をフル活用できるので非常に助かっています。また、急な休みにも備え、業務を属人化させずチームで柔軟に分担する意識が会社全体に根付いていると感じます。
保要:子供の急な発熱で休む時も、フレックスや分断勤務で柔軟に対応できるので心強いです。リモートワークが基本なので、保育園からの呼び出しにもすぐ駆けつけられるのが本当にありがたいですね。
荒巻:お二人が言うようにリモートワークの恩恵は計り知れません。通勤時間がなくなるだけでなく、家に菌を持ち込まないという感染症対策の観点でも大きなメリットです。特に乳児期には、この安心感は何物にも代えがたい。家に大人がもう一人いることが、妻の精神的な支えにもなっていると感じます。
―最後に、これから子育てや育休取得を考えている方へメッセージをお願いします。
保要:キャリアへの影響は、自分が心配していたよりもずっと少なかったです。妻をサポートし、子供と触れ合うかけがえのない時間を過ごすためにも、ぜひ積極的に取得を検討してほしいと思います。
荒巻:仕事も家庭も、どちらも諦める必要はないなと思いますね。この会社には、技術だけでなくワークライフバランスのノウハウも共有し合う文化があります。仕事とプライベートは対立するものではなく、プライベートの充実が、結果的に仕事のパフォーマンス向上にもつながっていると実感しています。
豊田:周りが取っているからという理由でなく、パートナーとよく話し合い、自分たちの家庭に合った形を見つけるのが一番大切だと思います。ただ、NFLabs.のように「いつでも取れる」という選択肢がある環境自体が、大きな安心材料になるはずです。