NFLabs.の社員は、みんな楽しそうに技術のことを話す。入社2年目の講師が語る、教育体制と文化

INTRODUCTION
佐世保工業高等専門学校電子制御工学科卒。中学時代の授業で見たドキュメンタリーをきっかけにセキュリティに興味を持つ。2024年にエヌ・エフ・ラボラトリーズ(以下、NFLabs.)入社後、約9ヶ月間の研修を経て講師に就任。現在はマルウェア解析を中心に研修コンテンツの開発・講義を担当。
幼少期にパソコンと出会い、プログラミングの面白さに夢中になった土屋さん。高専での電子制御工学の学びを経て、現在はNFLabs.でセキュリティ研修の講師として活躍しています。本記事では、彼がどのようにしてセキュリティの世界に魅了され、マルウェア解析という専門分野を選び、講師としてどのようなやりがいや課題を感じているのかを伺いました。
セキュリティはITの総合格闘技。常に学び続けられる点に魅力を感じた
―土屋さんが、ITに触れたきっかけを教えてください。
最初のきっかけは、家にテレビがなかったこともあり、パソコンでテレビ番組を見ていたことでした。そこから自然とパソコンに触れる時間が増え、将棋のソフトや、なぜかPowerPointのアニメーション機能で遊んでいたんです。
ITに対して強い興味をもったのは、小学3〜4年生の頃です。両親から文部科学省が提供していた子ども向けのプログラミングサイトを紹介され、それに完全にハマってしまいました。ブロックを組んで物を動かすようなサイトだったのですが、自分が考えた通りに画面の中の物が動いたり、簡単なゲームを自分で作ってみたりする体験が、とにかく「楽しい」の一言で。高専に進学したのも、この時の興味が根底にあります。
―セキュリティ分野に興味を持ったのはいつ頃でしたか?
高専に入る少し前でしたね。中学の技術の授業で見たあるドキュメンタリーがきっかけです。正確な内容は覚えていないのですが、マルウェアアナリストの方が、企業を標的としたランサムウェアを解析して脅威と戦っていくという内容でした。技術的なことは全く分かりませんでしたが、その姿が「すごくかっこいいな」と。その印象がずっと心に残っていました。
―それでは高専卒業後、NFLabs.に入社を決めた理由も教えてください。
高専4年の時、母校でNFLabs.の社員の方がログ分析に関する特別講義をしてくださったのが、会社を知った直接のきっかけです。講義のあとにNFLabs.の採用担当の方と話す機会があったのですが、そのとき聞いた「セキュリティはITの総合格闘技だ」という言葉に、心を掴まれたんですよね。
攻撃側の視点と防御側の視点は表裏一体であり、一方の専門性を高めるにはもう一方の深い理解が欠かせません。その上でOSやネットワーク、アプリケーションといった無数の技術領域をカバーする必要があることから、技術の進化や新たな脆弱性の発見によって日々状況が変わっていく。ずっと同じことをするのではなく、常に新しい知識を学び続けられる点に、とても惹かれました。
就職活動では他の業界も検討しましたが、やはり子どもの頃から憧れていたセキュリティ業界が一番魅力的に映りました。中でもNFLabs.は、セキュリティの魅力に気付かせてくれた会社でしたし、教育制度も非常に充実しており、成長できる環境が整っていると感じ、入社を決めました。
NFLabs.の特徴は、自発的な成長を後押しする文化
―入社後に成長を実感した、NFLabs.ならではの文化を表すエピソードを教えてください。
入社1年目でまだ右も左も分からなかった頃、「マルウェア解析について勉強してみたい」とふと思い、先輩社員に相談した時のことです。「この分野に興味があるのですが、詳しい方はいませんか?」と尋ねたところ、すぐに社内の専門家の方を紹介してくれただけでなく、私の知らない間にその方との勉強会までセッティングしてくださっていたんです。
驚いたのはそのスピード感で、相談した翌日にはもう勉強会が決まっていて、専門家の方から、ほぼマンツーマンの形で、雑談も交えながら非常にフランクな雰囲気で教えてもらえました。個人の「知りたい」という意欲に対して、会社がここまで迅速かつ柔軟に応えてくれる環境は、社員教育に対する思いが強い、かつ社内にスキルの高い人が多いNFLabs.ならではだと感じます。
NFLabs.には、こうした自発的な成長を後押しする文化が根付いています。休日には有志でCTFイベントに参加することもあります。それぞれ専門性が違うメンバーと一緒に問題を解くことで、様々な領域について自然に学べる機会になっていますね。高いスキルを持つ社員から直接指導を受けられるのがいいなと。NFLabs.の社員の皆さんは、誰でも嬉しそうに教えてくれるんですよ。それが、自分ももっと技術を学んでいきたいという刺激にもつながっています。
自分の探究心を業務に反映できる面白さ
―土屋さんは、現在NFLabs.が提供する教育研修の講師を務められています。セキュリティを教える立場になって、どのような点に難しさや面白さを感じていますか?
入社1年目のときに難しさを感じたのは、自分の知識をベースに講義を進めてしまって、初学者である研修生に伝わらないことがあったこと。その差を埋めるために、研修後には毎日日報を提出してもらい、そこで挙がった質問に対して翌朝回答するなど、丁寧なコミュニケーションを心がけるようになりました。研修生の反応をみて、研修内容自体も何度も改善。伝え方も工夫することで、研修生の方の反応もどんどん良くなってきたと感じています。
やりがいを最も感じるのは、対面研修の際、研修生の皆さんが熱心に学ぶ姿を目の当たりにする瞬間です。私たちが開発・ブラッシュアップした研修コンテンツを通して、皆さんの知識やスキルが向上していく様子を見ると、「頑張った甲斐があったな」「人の役に立っているな」といった確かな手応えが得られます。
また、講師として自分の探究心を研修内容に反映できる点に面白さも感じています。
「今の情勢を踏まえ、これを学ぶべきだ」という私の考えを研修内容の改善に繋げ、研修生に還元できることに喜びを感じます。もちろん他の社員と議論したうえですが、自分が「面白い」と感じる技術の核心を自分の言葉で伝え、それが他の人にも広がっていく。その様子が単純に面白く、この仕事の価値を感じています。
マルウェア解析を極め、その技術を教育にも還元していきたい
―現在、土屋さんが感じているセキュリティおよびマルウェア解析の魅力と、今後の目標を教えてください。
マルウェア解析の魅力は、謎解きのように「解き明かしていく作業」の面白さにあります。表向きは普通に動いているプログラムが、水面下でどのような不正な活動をしているのか。その隠された実態を突き止めていく過程は、本当に興味が尽きません。
バイナリファイルを読み解き、外部サーバーとの通信や権限昇格の企てといった断片的な情報から攻撃の全体像を組み立てていく作業は、まるで難解なパズルを解くような高揚感を覚えます。
今後はマルウェアアナリストとして、さらに複雑化する脅威の挙動を正確に分析し、防御側の知見やスキルを高めていきたいです。そして、いずれは自身の分析結果をセキュリティカンファレンスなどで発表したいと考えています。そうして得た新たな知見を、今度はNFLabs.が提供する研修へと還元していくことが、現在の私の直近の目標です。
―最後に、セキュリティ業界やNFLabs.に興味を持つ学生の皆さんへメッセージをお願いします。
セキュリティは、最初はとっつきにくく感じるかもしれませんが、学べば学ぶほど奥が深い、本当に面白い分野です。私たちが日々使うサービスの裏側を支える技術に触れられるので、知的探究心を満たしてくれます。
NFLabs.には、セキュリティという仕事の楽しさを本気で追求している方が本当に多く在籍しています。自らの意欲次第で、どこまでも専門技術を磨いていける環境がここには整っています。もし少しでも興味があるなら、CTFに参加してみたり、気になる分野を一つ、とことん掘り下げてみたりと、ぜひ様々なことにチャレンジしてほしいです。