研究者・経営者・会社員。三足のわらじを履く理由、履き続けられる理由

INTRODUCTION

防衛大学校卒業後、海上自衛隊のサイバー部隊に勤務し、セキュリティオペレーションを担当。その後、セキュリティ系の民間企業に就職し、脆弱性診断の知見を深める。2023年に株式会社エヌ・エフ・ラボラトリーズへ入社し、セキュリティ学習プラットフォームの研究開発をリード。大学院での博士研究や個人起業など複数の活動を同時にこなしつつ「サイバーセキュリティを通じて日本を守る」というビジョンを追求している。

大学院で研究を進め、経営者として事業を運営しながら、エヌ・エフ・ラボラトリーズ(以下、NFLabs.)で研究開発のリーダーを担う渡邉さん。会社員・研究者・経営者という三足のわらじを履き、セキュリティ領域でさまざまな挑戦を続けています。

防衛大学校を卒業し海上自衛隊入隊という経歴をもつ渡邉さんが、どのような思いから現在の活動に至ったのか、そしてなぜNFLabs.に入社したのか。このインタビューでは、その決断の背景にある原点と今後の展望を伺いました。

「国を守りたい」という思いから、異色のキャリアパスを歩み始める

―まずは、渡邉さんのNFLabs.入社までのキャリアについて教えてください。

防衛大学校を卒業後、自衛官として海上自衛隊に入隊しました。任官後はセキュリティ運用に携わり、解析やリーダー業務を経験しました。自衛隊内でも高度なサイバーセキュリティ教育を受けていましたが「異なる環境で仲間と競争し切磋琢磨しながら、より高い技術力を身につけたい」という思いが強まり、民間企業への転身を決意。攻撃技術や脆弱性診断において国内有数のスキルを持つ企業に転職しました。その企業に在籍していたのは1年4ヶ月と短い間でしたが、日本トップクラスのセキュリティエンジニアたちと競い合うことで、大幅にスキルアップできたと感じています。

―前職も非常によい環境だと思うのですが、なぜそこを離れ、転職しようと考えたのですか

学生時代から感じていた「日本をセキュリティの面で守りたい、貢献したい」という初心が消えなかったことが理由ですね。僕は自衛隊を飛び出し民間にキャリアチェンジした身ですが、いつかは自分を育ててくれた自衛隊に恩返ししたいという気持ちは持ち続けていました。

そこで、自分が専門とするセキュリティ領域で民間から日本に貢献できる場所はないかと思い、再度転職活動をはじました

数ある企業の中から、NFLabs.を選んだ決め手は何だったのでしょうか?

NFLabs.に入社した理由はいくつかありますが、ひとつはNTTグループとして日本のセキュリティを強化する取り組みに関われることです。

加えて、研究開発など自分がやりたいことを任せてもらえること、そして個人としての活動も支援してもらえると感じたこともNFLabs.に惹かれた理由です。

カジュアル面談や面接時に本当にたくさんの質問をさせてもらった結果、NFLabs.は「研究開発の事業にしっかりと人員と予算を割いている」こと、「私個人で行っている、大学院での研究や会社経営を認めてもらえる」ことが分かりました。また、自分の興味関心・研究領域とマッチした事業内容であることや、自分のマルチな活動を認めてくれる企業風土が決め手となりました。

あとは、社内に憧れの技術者がいて、トップエンジニアの近くで学べる環境も良いなと。少数精鋭の規模感なので、そういったエンジニアとも深く関われますし、やりたいと手を挙げれば任せてもらいやすい。事業・組織・人、すべてに魅力を感じました。

NFLabs.が支えてくれるから、研究・経営を続けられている

―大学院での研究活動にくわえ、ご自身で事業も行われているんですね。それぞれどのような活動を行っているか教えてください。

大学院では、フィッシングサイトの検出やAI言語モデルの活用などを中心に研究しています。防衛大学校時代の研究実績があるからと、博士の論文レビューを依頼されることがあるのですが、学士の立場で博士の論文を査読することに違和感がったので、自分自身が納得するために、博士号取得を目指すことにしました。もちろん純粋に研究が好きだったということもあります

個人の会社では、システム開発とセキュリティコンサルティングの2軸で事業を展開しています。AIやクラウドの新技術を積極的に取り入れながら、企業のセキュリティ体制強化の支援などを行っています。会社を設立したのは、日本のセキュリティを強化することで、国益につなげたい、国を守りたいという思いから。そのためのツールとして事業を運営しています。

―NFLabs.ではどのような業務に携わっているのですか?

主にNFLabs.の自社プロダクトである、実践型サイバーセキュリティ学習システム(Purple Flairの開発リーダーとして業務にあたっています。プロダクトマネジメントを行い開発を進めたり、お客様のご要望をヒアリングしシステムに反映していくといった業務ですね。例えば「受講生がペネトレーションテストをハンズオンで学べる仕組み」や「AIを活用した学習サポート」などの機能を、エンジニアと相談しながら設計してきました。

セキュリティ学習プラットフォームとは別に、業務時間のうち3割程度は研究開発にも携わっており、最近は「SIMアプレットのセキュリティ評価やセキュリティの応用」といった研究を行っています。

―経営・研究、そしてNFLabs.での業務とかなり忙しいと思うのですが、これらを両立する秘訣はありますか?

基本的には体力です(笑)。防衛大学校1年生のときのほうがよほどハードだったと思えば、たいていのことは乗り越えられます。

あとは、会社の制度にも助けられていますね。NFLabs.はフレックス制度があるので、日中はNFLabs.の業務に集中、昼休憩で経営している会社のミーティングを行う、夜や週末に論文執筆をする、といった形でマルチタスクを回しています。

NFLabs.のマネージャーが、プレイヤー業務に集中できる環境を作ってくれているのも両立できている大きな要因だと思っています。会社としても学会発表や大学院の研究も業務として扱ってもらえるものもあり、柔軟にサポートしてくれるので非常に助かっています。

ずっと続けたいと思える仕事がNFLabs.にはある

―NFLabs.での業務で、もっともやりがいを感じることを教えてください。

プロダクトをお客様に見せたとき、喜んでいただけるのはシンプルに嬉しいです。

最近感じているのは、ただ、お客様の要望どおりに作れば喜んでいただける、というわけでもないということ。要望を鵜呑みにせず「本当に必要な機能は何か」「その背景にある課題は何か」を考えて実装したほうが、結果として「これが欲しかった」と喜ばれることが多いように感じています。自分が考え実装した機能がお客様に刺さったときは「間違っていなかった」と安心でき本当に嬉しいですし、やりがいを感じます

—さまざまな場所で活躍する渡邉さんですが、NFLabs.の社風はどのように感じていますか?

NFLabs.の特徴として僕が強く感じているのは、やはりその自由さ。ここまで何でもやらせてくれる企業は、あまりないと思います。

特にやりたいことがないという人にとっては、もしかすると必要のない要素かもしれません。ただ、私はシステム開発もやりたいし、研究もやりたいし、出張も行きたいし、学会も参加したいなど欲張りな人間です。

社員の積極性を認め評価してくれるNFLabs.は僕にとってベストな環境で、その寛容さがNFLabs.の社風と言えるかもしれません。

―渡邉さんの今後の目標について教えてください。

まずは、現在通学している大学院での博士研究を完了させることです。そこで得たアカデミアの知見を産業に実装していくことに取り組むことが、研究と実務の両方に携わっている私の成し遂げるべきミッションだと考えています。

研究成果をアカデミアの中にとじず、例えばセキュリティ教育だとか、セキュリティオペレーションの枠組みなどで社会実装をしていきたいと思っています。

―最後に、NFLabsへ就職・転職を考える方に向けてメッセージをお願いします。

セキュリティに関わる人はみんな、守りたいものや守りたい人がいると思うんですよね。私自身は「日本を守りたい」という思いが原点にありますが、NFLabs.はそういった自己実現・社会貢献に近づくための最短ルートだと思います。

社会的意義のある仕事がしたい。そう考えている方は、ぜひNFLabs.を検討してみてください。セキュリティに強い方はさらに高めていけると思いますし、自分が活躍できることは何だろうというのを意識して、ぜひ伸ばしてほしいと思っています!

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