【代表インタビュー】CEO小山が語る、NFLabs.の根底にある思い。

INTRODUCTION

1988年、日本電信電話株式会社(NTT)に入社。1999年にエヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社に着任。2015年10月より情報セキュリティ部長に就任(現職)。2019年1月、株式会社エヌ・エフ・ラボラトリーズを設立し、代表取締役社長(現職)に就任。社外では、Telecom-ISAC Japanの活動に参加(2002年)したほか、2006年からセキュリティ対策の国家プロジェクトである「サイバークリーンセンター」の運営委員を5年間務めた。

「セキュリティ技術を原動力に人々が安心して暮らせるデジタル社会の持続的な成長を支援する」というミッションを掲げ、教育研修、セキュリティ診断、研究開発という3つの事業を展開する株式会社エヌ・エフ・ラボラトリーズ(以下、NFLabs.)。


代表取締役である小山がセキュリティに携わりはじめたのは、1997年のこと。その後20年以上の時を経た2019年、NFLabs.は設立されました。今回は、代表小山にインタビューを行い、セキュリティ領域へ足を踏み入れたきっかけやNFLabs.設立の背景、そしてNFLabs.をとおして実現したい未来について伺います。


「私たちが育てるしかない」NFLabs.を設立した背景

—まず、小山社長がセキュリティ領域に携わることになったきっかけを教えてください。

私がセキュリティに携わりはじめたのは1997年です。きっかけとなったのは、その2年前に発生した阪神・淡路大震災でした。

当時、私はNTTの西宮支店の係長として、電柱やケーブルの工事・保守を担当していました。阪神・淡路大震災は、第二次世界大戦後の日本において、東日本大震災に次いで最悪の被害を記録した災害です。私が保守している設備にも大きなダメージがあり、多くの地域で電話が不通となりました。

現況確認のため、NTTの作業服を着て現場に出たときのことです。地域の方々から「建物に残っている家族と連絡がつかない」「一刻も早く復旧してほしい」という切実な思いをうかがい、通信手段が人々にとって単なる利便性を超え、命を守り、安心を支えるものであることをあらためて強く感じました。

震災で電話が不通だった一方でインターネットは維持されていたことを知り、大きな関心を抱きました。その思いを当時の上司に伝え、インターネットサービスに携わることとなりました。インターネットに関わる中で、より強固なセキュリティ対策の必要性を感じ、安全に活用するための環境強化に向けて自ら取り組みを開始して以来、この分野に従事し続けています。


—なぜ、NFLabs.を設立しようと思ったのでしょうか?

きっかけは大きく二つあります。まずは、お客様から「セキュリティに精通した社員を派遣してほしい」と要望をいただくようになったことです。もうひとつは、2021年の東京オリンピック・パラリンピックです。国際的なイベントはサイバー攻撃の標的とされやすいため、対抗できるサイバー人材が求められていました。

しかし、サイバー人材・セキュリティエンジニアは社会的に不足しており、募集しても人が集まらないという現実がありました。そこで「私たちが育てるしかない」という結論に至り、セキュリティエンジニアを育成するNFLabs.を立ち上げました。


攻撃者に対峙するために、社員と会社が成長し続けられる仕組みを整えた

—NFLabs.の事業内容と、それらを展開している背景を教えてください。

NFLabs.は、教育研修事業、セキュリティ診断事業、研究開発の3つの事業を柱にしています。

これらの事業を展開している背景には、いくつかのねらいがありますが、一つは社会の課題に基づいた“実践的な教育”と、最先端の“研究開発”を掛け合わせ、各事業に相乗効果をもたらすことです。

攻撃手法は日々巧妙化しています。その攻撃者に対峙するためには、自分たちも攻撃者目線で研究を行い、深い知識や攻撃に対抗するためのノウハウを蓄積していかなくてはなりません。そのために、当社では研究開発に注力し、社員個人の研究・学習も積極的に支援しています。

研究成果と社員のスキルアップが人材育成とセキュリティ対策の品質を向上させ、実践で得た知見は研究開発にフィードバックされる。こうして、すべての事業がブラッシュアップされていくという循環を意識した事業展開を行っています。

もう一つには、エンジニアのキャリアアップを支援したいという思いもあります。多くのセキュリティエンジニアはキャリアアップへの意欲が高く、「さまざまな観点からスキルを深めたい」「新しいフィールドに挑戦したい」と考えています。

そのため、社内に教育・実務・研究開発という方向性の異なる3つの事業を用意して、希望に応じて異動できるようにしました。社内で多様な経験を積める環境を整え、社員の成長を促進させ、会社の成長にもつなげる。そのような考えから事業を展開しています。


—事業と社員の成長を考え、事業領域を選択されたのですね。事業運営において、大切にしている考えはありますか?

創業以来、「利益だけを追求するのではなく、社員の働きやすさを確保し、得た利益は教育環境の整備に再投資していく」という姿勢を取り続けています。

NFLabs.は、2019年創業の若い企業です。そのため、事業規模やルールに縛られず、新しい取り組みをスピード感をもって実行できます。一方で、NTTグループの盤石な基盤も活かせるのは当社の強みです。

大企業より個人に与えられる裁量が大きく、しかし、組織としては安定しているため社員の成長に大胆に投資できます。大企業とベンチャーのいいとこどりをNFLabs.では実現しようとしています。


—組織づくりについては、どのような方針をもたれていますか?

エンジニアが働きやすい環境を“社員全員で”つくり上げるのが基本姿勢です。「これはおかしい」「違和感がある」という意見を歓迎し、社員とともに改善の方向を模索しています。

NFLabs.には、親会社であるNTTグループやFFRIセキュリティからの出向者、そして当社のプロパー社員など、いろいろなバックグラウンドを持つ人が集まっています。異文化がぶつかり合う場の中で、違和感を大切にして互いに課題を共有し合いながら改善を進めていく。これが組織づくりには非常に重要なことではないかと思っています。


これからのデジタル社会を守るために、一緒に挑戦していきたい

——約20年間、セキュリティに携わってきた小山社長が考える「セキュリティエンジニアにとって重要な要素」とは何だと思いますか?

私が常に言っている言葉があるのですが、それはIntegrity(インテグリティ)、日本語でいうところの「倫理観」や「誠実さ」を意味します。

セキュリティエンジニアは、これからの社会に必要になる存在です。それこそ、医師や弁護士のように。そのため、専門職としての地位と信頼を確立していく必要がありますが、そのためにもIntegrityが不可欠です。社会や企業から信頼されるセキュリティエンジニアになるためには、最新のサイバー攻撃の手法をいち早く理解しながらも、ダークサイドに落ちない強い意志を育むことがもっとも大切だと考えています。


—これからのデジタル社会において、NFLabs.はどのような役割を果たしたいと考えていますか?

A. 当社はミッションとして「セキュリティ技術を原動力に人々が安心して暮らせるデジタル社会の持続的な成長を支援」することを掲げています。

たとえば、サハラ砂漠を横断するためには数千キロも車を走らせなければなりません。それほどの距離を走ろうとすると、いつか車が故障するでしょう。安定して走り続けるためには、自分たちで車を分解して、組み立てなおすスキルが必要となります。

それと同じように、デジタル社会を生きるには、サービスやシステムを安定運用させるスキルが求められます。IT技術を深く理解し、必要に応じて分解し組み替えられるような人材を育成していかないと、安心・安全なデジタル社会は実現できません。

私たちは、人材育成を通じて、日本ひいては世界の技術力を底上げする。そうして、デジタル社会の安心・安全と持続的な成長を支援することがNFLabs.の役割だと考えています。


—ありがとうございます。最後に、NFLabs.への入社を考えている方に向けてメッセージをお願いします。

情報やシステムを守ることが、企業や社会、ひいては国を守ることに繋がる。自分の技能を高めることで、デジタル社会の安心・安全に貢献したい。私たちは、このような思いで事業を行っています。

同じ思いを持っている方、ぜひ私たちと一緒に成長していきましょう。

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